信太山(しのだやま)新開地
歴史は古く江戸時代には熊野参詣の「精進落とし」の遊里として栄えていたようです。
1919年(大正8年)陸軍信太山駐屯地が設立され、軍隊の慰安所となり、
兵庫県の丹波篠山、北海道の旭川、広島の呉などのように日本軍に付随してできた色街です。
戦後は青線となり、売春防止法が施行された以降の現在は「旅館」として営業しています。
公布は1956年(昭和31年5月24日)法律第118号
施行は1957年(昭和32年4月1日)
罰則の施行は1958年(昭和33年)4月1日、これにより赤線が廃止される。
大阪の5大新地、「飛田新地、今里新地、松島新地、滝井新地、信太山新地」
飛田新地が有名で陰に隠れたような存在の信太山新地。
ちょっと気になったので、行ってみました。
大阪からJR阪和線に乗って、信太山駅で下車
スーパー玉出の前を通り過ぎて交差点を左折して進みます
現在は信太山新地では無く、憩いの町 小栗の郷に名称も変わり、
キャッチコピーも「飲酒運転撲滅宣言の町和泉」へ変更されているようです。
ここを左に曲がれば信太山新地です。
こういう看板を見ると大阪の新地だなぁ~って感じます。
狭い空間にズラリと並ぶ旅館。
飛田新地や他の新地は料亭って呼ばれています。
特に装飾が綺麗とかステンドグラスが綺麗とかは無かったです。
信太山新地は飛田新地と違って、玄関に女の子が座っているわけではなく、
お客さんが旅館に入ると、旅館の人が女の子が待機しているスタンドへ電話して、
スタンドから女の子が派遣されるって形になっています
旅館とスタンドは契約関係にあって、契約しているスタンドからしか女の子を呼べないようです。
信太山新地の中にある神社、「白瀧八大龍王」って書いてあります。
八大龍王のご利益・ご真言
商売繁盛・富貴栄達・出世・勝運
除災招福・恋愛成就・五穀豊穣、など色々とご利益があるようです。
信太山が舞台の物語
人形浄瑠璃文楽や歌舞伎の物語「蘆屋道満大内鑑(あしやどうまんおおうちかがみ)」の四段目
「葛の葉子別れの段」
安倍保名が信太明神で若狐が猟師に追われているところを救います。
邪魔をされた狩人は激昂し、保名に怪我を負わせます。
そこへ葛の葉と名乗る女性が現れ、保名を介抱します。
保名に助けられた白狐が人間の姿になって現れたものでした。
ある日、夫と子に正体を見られてしまった葛の葉は、
「恋しくば たずね来てみよ 和泉なる 信太の森の うらみくずの葉」という和歌を書き残し、
信太の森に帰っていきます。
人間となった狐と保名の間に生まれた子供が安倍晴明です。
安倍晴明には白狐から生まれたという伝説がありますが、
葛の葉姫が産んだ子どもが安倍晴明になります。
伝承にある信太明神とは、和泉市鶴山台にある聖神社のこと、
葛葉稲荷神社の方が有名です。
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